2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
齊藤 正 関西大学, 工学部, 教授 (30388417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 貢 関西大学, 工学部, 専任講師 (00330407)
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Keywords | 光物性 / 半導体物性 / 光触媒 / 物性実験 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
平成18年度の研究計画の中心である可視光応答型光触媒の探索の結果について報告する. アークプラズマ蒸着(以下AP蒸着と略す)でパイレックス基板上に成膜した酸化チタン膜と酸化タングステン膜の水接触角のブラックライト照射特性を測定した.AP蒸着はメタルカソードを使用し,酸素ガス中で蒸着して酸化物を成膜した.基板温度は室温から400℃の間で行った. 1.酸化チタン 300℃で成膜した酸化チタン膜について水接触角の成膜中酸素濃度依存性を測定した結果,酸素濃度の低い条件で成膜した方が接触角が小さくなることがわかった.これは,酸素濃度が低い方が酸素欠損が多くなることにより,紫外線成分の少ない室内光下でも親水化が生じているためと考えられる. 2.酸化タングステン 酸化タングステンの場合には,水接触角は成膜中の酸素濃度にほとんど依存しないことが判明した.これは,タングステンの場合には酸素との結合が速やかに行われるために,表面の酸素組成が成膜条件に依存していないためと考えられる.また,酸化タングステンの場合には,成膜直後から水接触角が小さく,ブラックライトを照射してもほとんど接触角が変化しないことから,可視光応答型親水化が起きていると考えられる. 3.酸化チタンと酸化タングステンの親水性比較 酸化チタンはブラックライトを照射すれば親水化が起きるが,ブラックライトを照射しない場合の水接触角は,酸化チタンよりも酸化タングステンの方が小さい(親水性が高い)ことがわかった.したがって,室内用途の親水性を考える場合には酸化タングステンの方が優れていると考えられる.
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Research Products
(2 results)