2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
春日井 敦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70354636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 慶司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (90343904)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 電子デバイス / テラヘルツ / ミリ波 / ジャイロトロン |
Research Abstract |
大電力のミリ波・サブミリ波領域の電磁波(0.1〜1THz)は、これまで簡便に発生・検出する方法がなかったため核融合以外の分野では使われてこなかった。しかしこれらの周波数の電磁波を利用した応用分野は意外なほど広く、情報通信、安全防犯、バイオ医療、農業、工業、環境、エネルギー、宇宙にまで広がっていく可能性が秘められている。核融合用に開発中のジャイロトロンは、大電力電磁波を効率よく発生させることができる。ところが動作時間が短いこと、周波数が比較的低いこと、単一の周波数しか出せない等の制限から、学術研究や産業応用の発生源として適用できていない。そこで本研究では、大電力ミリ波・サブミリ波の学術研究や産業応用への可能性を探るべく、完全定常動作化研究、及び高周波数化、周波数可変型大電力ミリ波・サブミリ波発振源の研究を行うこととしている。 平成18年度は、特に完全連続動作化に必要となる方策を検討するため、既存の核融合用ジャイロトロン(0.17THz)を用いて、ジャイロトロン内部の発熱のメカニズムとアウトガス放出のメカニズムを調査した。その結果、高周波回路系における発振モードから出力モードヘの変換効率が悪いことが、内部発熱の主な原因と考えられその結果アウトガス放出量が大きくなることが予想された。さらに、電子ビームの速度分散が大きくなり発振効率が低下すること、ビーム電流が動作中に減少するため正常な発振が持続できないことなどが明らかにされた。 そこでこれらの課題を克服するため、高周波回路、電子銃、制御方式の改良等を行った核融合用ジャイロトロンを用いて発振調整、長パルス動作実験を行い、パラメータの最適化を行った。その結果、内部のアウトガスの量を長パルス動作時においても10^<-8>torr台の良好な真空度に維持することができ、出力0.6MW、総合効率46%、動作時間1時間の大電力定常動作の実証に成功した。
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Research Products
(6 results)