2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
茂木 巖 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50210084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 弘紀 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60321981)
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Keywords | 磁気浮上 / 強磁場 / 反磁性 / 熱対流 / マイクログラビティ / 磁気力 |
Research Abstract |
反磁性物質が磁場から受ける斥力が重力とバランスするほど大きくなると,物質は浮上する.これが反磁性物質の磁気浮上である.磁気浮上は地上で実現できる擬似無重力状態であり,これを材料プロセスに応用することが望まれている.磁気浮上の特徴を活用した材料プロセスを考案するためには,磁気浮上状態における物質の挙動を十分に理解していなければならない.磁気浮上状態における物質合成でもっとも重要と考えられる物質の挙動のひとつが,熱対流である.そこで,本年度は水の熱対流が磁気浮上状態またはそれ以上の強い勾配磁場の下で,どのような挙動を示すかを調べた. 実験は東北大金研の強磁場センターにあるハイブリッドマグネットを用い,水を入れたセルの中にヒーターと共に液晶シートを入れて熱輸送の様子を可視化して行った.ゼロ磁場においてヒーター上方へと立ち上る熱対流は,磁気浮上相当の勾配磁場(1360T^2m^<-1>)下ではほとんどなくなってしまい、マイクログラビティ状態での熱輸送に近い振る舞いが観察された。しかし、対流が完全には抑制されていないことも確認された。水の質量磁化率が温度変化するために,磁気力,重力,浮力のバランスが崩れ,暖まった水に働く力がゼロにならないからである.さらに磁場を強くして,2880T^2m^<-1>になったとき,より完全に対流のない熱伝導の様子が観察された.また同じ勾配磁場下で温度を40-45℃まで上昇させると,水の磁気対流が発生することが確認された.このように,磁気浮上状態およびさらに強い勾配磁場下での,水の熱対流の挙動を明らかにすることができた.
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Research Products
(5 results)