Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 克樹 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (40303854)
山本 芳嗣 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (00119033)
久野 誉人 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (00205113)
繁野 麻衣子 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (40272687)
村松 正和 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (70266071)
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Research Abstract |
本研究の目的は,非線形半正定値計画問題に対する主双対内点法を開発することである. 半正定値計画問題は線形計画問題のような多面体ではない閉凸錐上の最適化問題であることから,漸近的な最適値は存在しても,最適解は存在しない(最適値に収束する点列が発散する)という現象が頻繁に発生する.このため線形半正定借計画問題に対する主双対内点法において,最適性の判定は常に数値的な困難をともなう.最適解の精度は,応用先である組合せ最適化問題やロバスト最適化問題に大きな影響をもたらす.このような理由により,線形半正定植計画問題の解法に対して,数値的な安定性を保証するためのさまざまな工夫が提案されてきた.非線形半正定値計画問題に対する主双対内点法を開発する上で,こうした数値的安定性に対する配慮はさらに必要不可欠である.本研究では特殊な同次モデルを用いることで,数値的な不安定さを軽減させようとしている点に特徴がある. 同次モデルの基本となるアイディアは,パラメータを増やし変数の次元を上げることにより,本来であれば発散する点列を有界な点列に埋め込むことである.本年度は,提案した同次モデルの理論的な特徴の導出を行った.この結果, 1.許容解の存在あるいは狭義許容解の存在を仮定しなくとも,有界で自明な初期点をもつパスが存在し, 2.任意のパスの集積点は同次モデルの解であり, 3.元の問題が解をもつのであれば,その集積点から有界な解が算出でき, 4.元の問題が強非許容である場合は,Lipschitz連続の仮定のもとで,その集積点から非許容性を保証できることを示した.これらの結果は線形な半正定値計画問題に対しても新規の結果となっている. 次年度は,上記のパスを数値的に追跡するアルゴリズムの提案と,その計算榎雑度の議論,数値実験による検証を行う予定である.
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