2006 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力超音波顕微技術による極微破壊の制御とナノ流路の加工
Project/Area Number |
18560067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
村岡 幹夫 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (50190872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 永樹 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (80177188)
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 超音波ナノ加工 / ナノ流路 / 集中質量型カンチレバー / 2次モード / 探針の摺動 / シアフォース制御 / 溝加工 |
Research Abstract |
従来にない超音波ナノ加工法の基盤確立とこれにより作製したナノ流路の応用を目標とした本研究の18年度の実績は以下のとおりである. (I)加工用集中質量型カンチレバーの作製と動作理論の確立 探針の摺動力を強化した慣性モーメント増強型の集中質量型カンチレバーを新たに作製した.ここでは,集中質量として直径30μmの金細線を長さ100μmに切断した棒状質量を用いた,また,はり振動理論を構築し,最適設計の準備を行った.付加質量とカンチレバーの慣性モーメントの比が約4以上であれば,2次モードの共振において,付加質量の重心を回転中心とする一自由度の角振動モデルと等価になることが分かった. (II)流路の超音波加工と評価 UV硬化樹脂表面に幅数100nm,深さ数10nmの溝状流路の作製に成功した.通常タッピングモードと呼ばれるカンチレバー制御モードを本集中質量型カンチレバーの2次モードに適用することにより,実質的に,シアフォースモード(せん断力制御)が可能となることを実証した,振幅減衰率を調整することにより,表面にダメージを与えない形状計測と,制御したダメージ付与による溝加工が可能であることを示した.しかしながら,しばしば制御が不安定のなるという問題が生じた.これは,探針と試料表面の摩擦においてスティックスリップが生じてしまうことが原因であると推測した.すなわち,加工時の潤滑の必要性を検討すべきであるという結論を得た.
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Research Products
(4 results)