2006 Fiscal Year Annual Research Report
鋼の相変態挙動の多軸応力依存性に関する実験的検討と弾塑性構成モデルの構築
Project/Area Number |
18560071
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長岐 滋 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (30135959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 賢一 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助手 (60334471)
|
Keywords | 熱弾塑性構成式 / 熱処理 / 相変態 / 変態塑性 / 温度・伸び線図 / 多軸応力 |
Research Abstract |
熱処理過程の変形シミュレーションにおいて良い精度が得られない大きな原因として,多軸応力状態下での相変態の進行と変態誘起塑性現象を適切に記述できる材料モデルが確立されていないことが挙げられる.本研究では,高温多軸応力下での炭素鋼の変態膨張や変態誘起塑性変形を実験的に正確に測定することによりその法則性を明らかにし,これら相変態に起因する変形をより的確に表現する弾塑性材料モデルを構築することを目的とする. 本年度は,引張応力とせん断応力の二軸負荷状態で様々な冷却速度において相変態実験を行うため,試作中の実験装置に改良を加えた.特に高温下におけるひずみ計測の精度向上について検討し,これまで使用していた差動変位計方式からレーザ変位計測方式し変更することによって,従来に比べ大幅な精度向上を実現することができた.具体的には,SCM440材を用いた単軸負荷による予備実験を行い,温度-伸び線図を取得し,相変態挙動,変態塑性挙動等を確認することができた.しかしながら,試験片の軸ずれ,ひずみ計測の高精度化に伴う外乱の混入等の問題点も浮き彫りとなり,試験装置全体についてさらに改良を加える必要があることがわかった.
|