2007 Fiscal Year Annual Research Report
エポキシ樹脂複合材料の力学的特性に及ぼす混合シリカ粒子分散効果の影響
Project/Area Number |
18560072
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 忠晴 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20184187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 稚子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40359691)
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Keywords | 粒子充填複合材料 / ナノシリカ粒子 / エポキシ樹脂 / 力学的特性 / 粒子分散 / 料子混合率 / ガラス転移温度 |
Research Abstract |
シリカ粒子充填エポキシ樹脂の力学的特性に及ぼす粒径240nmのナノシリカ粒子および粒径1.56μmのマイクロシリカ粒子の混合充填の影響をまず実験的に明らかにするとともに粒子分散モデルの解析を行い力学モデルの検討を行った.前年度に続き,2種類のシリカ粒子を混合したエポキシ樹脂の力学的特性として熱粘弾性特性および破壊靭性値の測定をさらに行った.ガラス領域における熱粘弾性特性においてシリカ粒子の粒径依存性は小さく,ゴム領域においてはマトリックス樹脂がゴム状態になるために粒子の可動性が高まり粒子の粒径依存性が大きく現れることが判明した.粒子間の距離をBansal Ardellらの統計的手法による粒子のランダム分散の結果に基づいて数値解析を行い,作製したそれぞれの複合材料の粒子間距離を明らかにした.BansalとArdellの結果によるとランダムに混合された1種類の粒径の粒子の表面間距離は単一の粒子の場合は粒子の体積含有率に依存し粒径に比例する.したがって粒子分散が粒径に対して相似になっていることに着目して解析モデルを作成して,単一の粒子を充填したときの破壊靭性値の複合則の検討を行った.その結果,粒子表面間の平均距離距離の平方根とマトリックス樹脂の積の逆数に破壊靭性値が比例することを明らかにし,測定されたシリカ粒子および体積含有率の依存性と一致することを確認した.なお,この複合則には未知の係数が含まれており,これは粒子とマトリックス樹脂の架橋構造との干渉を示しているものと考えられる.以上のように,シリカ粒子を混合充填することで,体積含有率によりガラス状態の熱粘弾性特性が決定され,粒径の分布により破壊靭性値を決定されることを明らかにした.これにより変形特性である熱粘弾性特性と破壊特性の破壊靭性値を独立に設計できることを示した.
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Research Products
(6 results)