2007 Fiscal Year Annual Research Report
皮質骨の異方的損傷のモデル化と衝突事故傷害シミュレーションへの応用
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18560076
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
田中 英一 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (00111831)
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| Keywords | 生体力学 / 骨損傷モデル / 衝突解析 / 骨折パタン予測 |
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| Research Abstract |
前年度開発した異方損傷を考慮に入れた皮質骨の非弾性構成式モデルを改良した.改良モデルは,粘弾性要素と粘塑性要素が直列につながった複合1次元レオロジーモデルを3次元に拡張したものであり,熱力学的制約条件を満足するように,不可逆熱力学構成式理論の枠組みに基づいて定式化されている.皮質骨の損傷特性は2階の対称な損傷テンソルによって表現され,そして損傷の影響は全エネルギー等価性の仮説によって構成式モデルに反映される.損傷発展式は,テンソル関数の表現定理を用いてその大枠が決定され,その具体的形は実験データとの比較検討により決定される.
構成式モデルの適用性は,ヒト皮質骨の材料試験データに対して計算機シミュレーションを行い,比較することで検討した.その結果,弾性係数のひずみ速度依存性,降伏応力や降伏後の粘塑性挙動のひずみ速度依存性,弾性係数や降伏応力,降伏後の粘塑性挙動の異方性ならびに引張りと圧縮の非対称性,骨折時期のひずみ速度依存性,異方性,引張りと圧縮の非対称性を精確に表現することができることが明らかとなった.
定式化したモデルを動的汎用有限要素法コードLS-DYNAに組込んだ.そのために,サブルーチンプログラムを開発した.組み込みの妥当性を検証するため,1要素モデルを用いて解析を行い,モデルを直接計算した結果と比較した.その結果,両者はよく一致し,組み込みの妥当性が確認された.
次にヒト大腿骨を円管で近似し,基本的な外力を作用させて,骨折パタンを予測した.現在実験結果との比較検討を行っている.
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