2006 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境下におけるPMCの時間依存特性と長期信頼性評価
Project/Area Number |
18560088
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川田 宏之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20177702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古挽 彰 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00373035)
小柳 潤 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (60386604)
|
Keywords | 繊維強化プラスチック / 環境強度 / 長期信頼性 / 界面 |
Research Abstract |
繊維強化プラスチック(FRP)は様々な環境下での利用が拡大しており,その長期信頼性を確立するには,疲労やクリープなどの力学的負荷や,水分や熱などの環境因子によるによるFRPの剛性低下や残存寿命の予測方法を確立することが必要となっている.特に,FRPは工業設備などのパイプラインや化学プラントで多用されることから,このような環境下におけるFRPの機械的特性の変化を定量的に明らかにすることが望まれている. 水環境下におけるFRPの機械的特性に関しては,水中に浸漬した時間経過にともなう一方向FRPの強度低下や,水中で負荷を受けるFRPの巨視的な特性変化に対して研究がなされている.しかし,水環境下における繊維強度低下を支配する要因を体系的かつ定量的に取り扱った研究は見当たらない.そこで,本研究では母材内部の繊維強度の評価に適した単繊維埋蔵複合材料(Single Fiber Composite ; SFC)に水環境下で一定応力を負荷し,このとき生じる強度低下をフラグメンテーション試験により求め,その結果を定量化するモデルを提案した. 繊維強度は繊維表面の微小欠陥が修正Paris則にしたがって進展することで低下すると仮定し,欠陥の大きさの時間変化から残存強度を求めるモデルを構築した.このモデルでは初期強度分布を決定するワイブル係数と,修正Paris則に含まれる定数を決定することで強度低下が定量化される.以上のモデルに,試験時の繊維応力履歴を用いて残存強度分布を求めた結果,実験結果に対して良い一致を得たことから,本モデルによる強度低下の定量化が可能であることが示された.本研究によって,一方向FRPの水環境下における負荷時間を考慮した繊維強度低下を予測することが可能であり,本研究で提案したモデルは巨視的な強度や剛性変化を予測する上で有効であることが示された.
|
Research Products
(6 results)