2006 Fiscal Year Annual Research Report
超長寿命域における変動荷重下の疲労損傷累積に関する研究
Project/Area Number |
18560089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
城野 政弘 福井工業大学, 工学部, 教授 (20029094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽木 秀樹 福井工業大学, 工学部, 教授 (40117213)
菅田 淳 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (60162913)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 疲労 / 変動荷重 / 超長寿命域 / 高硬度鋼 / 内部疲労き裂 / 疲労き裂進展 |
Research Abstract |
4連式片持ち回転曲げ疲労試験機を購入、設置するとともに、焼き戻し温度を160℃と180℃に変えた2種の高硬度SNCM439鋼を用いて、超長寿命域における2段荷重変動疲労試験を行い、疲労損傷の累積について検討を行った。超長寿命域の疲労では、10^7サイクルを基準とするいわゆる疲労限度以下の応力でも内部介在物をき裂発生起点として破壊が生じることから、2段変動応力をそれぞれ、表面からき裂が発生し破断する高応力と内部起点型の低応力に定め試験を行った。1次応力を表面起点型となる疲労限度以上の応力とし、損傷値を約0.5まで与えた後、疲労限度以下の応力に下げ超長寿命疲労損傷を与えた高・低2段変動試験では、破壊モードの遷移は起らず、累積損傷値もほぼ1で破壊した。また、1次応力を内部起点型となる低応力に選び5×10^7サイクルを超える超長寿命域の疲労損傷を与えた後、表面起点型となる高応力に切り替えた低-高2段変動試験では、1次応力の繰返しは寿命にほとんど影響せず、破壊は全て表面起点型となり、寿命も高応力における一定振幅試験のものとそれほど変わらなかった。以上のように本年度に行った破壊寿命を基準とする試験では、荷重変動の影響は大きく現れなかったが、まだ限られた条件での試験のみであるので、さらに条件を変化させ引き続き検討を進める予定である。 一方、高周波油圧サーボ疲労試験機を用いたSCM435鋼の高速軸荷重疲労試験では、超長寿命域の破壊は内部介在物を起点とする内部破壊であり、介在物の周辺には微小な凹凸をもつ破面領域(FGA)がみられ、破面には明瞭なフィッシュアイが認められた。なお、この領域での2段繰返し変動荷重試験では、累積損傷値はほぼ1となり、FGAの形成には高-低荷重が独立して損傷を与えていることがわかった。またフィッシュアイ内の内部き裂進展速度にも荷重変動の影響はあまり見られず、通常の巨視的な疲労き裂進展挙動とは異なる機構であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)