2008 Fiscal Year Annual Research Report
感度安定型PZT素子を用いた自己補償型SHMシステムの開発と応用
Project/Area Number |
18560091
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
日下 貴之 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (10309099)
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Keywords | 構造ヘルスモニタリング / 損傷検出 / 圧電素子 / 弾性波 / スマート構造・材料 |
Research Abstract |
近年,航空宇宙分野をはじめ,自動車,土木,建築,医療など,広範な産業分野において,PZT素子や光ファイバーなどを用いたSHM(Structural Health Monitoring)システムが注目されている.特に,PZT素子を用いたSHMシステムでは,Lamb波を利用することによって,構造材料に生じた損傷を効率的にモニタリングできることが知られており,国内外の多くの研究機関で基礎研究が進められている.しかし,研究代表者らの一連の研究を通じて,一般的なPZT素子では,長期使用時の圧電特性の劣化が無視できず,このことが損傷検出精度に重大な影響を及ぼすことが明らかになっている.そこで,本研究では,長期にわたって安定した圧電特性を維持できる耐久性に優れたPZT素子および素子の劣化を補完し,被測定物の損傷を正確に同定できる信頼性に優れたSHMシステムを開発することを試みた.平成20年度には,CFRP製構造物の損傷可視化システムを開発することを試みた.当初,モニタリング対象物としてCFRP製圧力容器を検討していたが,提案システムの性能評価により好都合で,社会的なニーズも高いCFRP補強コンクリート梁に対象物を変更し検討を行った.その結果,懸念されていたコンクリート内へのLamb波の散乱は,本システムの性能に重大な影響を与えることがないことが明らかになった.また,主としてLamb波の伝播速度の変化に着目することによって,CFRPとコンクリートとの接着界面の剥離現象を定量的にモニタリングできることが明らかになった.さらに,損傷の有無によるLamb波の伝播挙動の変化を,特殊なスカラー量に換算することによって,非常に簡便にモニタリングできることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)