2008 Fiscal Year Annual Research Report
極微小液滴の特性とそれに及ぼす材料表面の影響に関する研究
Project/Area Number |
18560093
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
王 栄光 Hiroshima Institute of Technology, 工学部, 准教授 (30363021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴村 文寛 広島工業大学, 工学部, 准教授 (50248283)
中西 助次 広島工業大学, 工学部, 教授 (60164232)
岡部 卓治 広島工業大学, 工学部, 教授 (50160700)
木戸 光夫 広島工業大学, 工学部, 教授 (70087980)
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Keywords | 材料設計・プロセス・物性・評価 / AFM / 極微小液滴 / 濡れ / 腐食 / 摩擦 |
Research Abstract |
1.前年度に引き続き、紫外線・オゾン照射による清浄なステンレス鋼および純クロム表面を作製し、さらにAFMによる清浄度の評価を行った。その結果、照射時間が長いほど金属表面の清浄度が高くなるが、表面が一部酸化されることがわかった。一方、その表面酸化現象を利用してステンレス鋼の耐食性をある程度上昇させることが実現できる。 2.近年橋等の金属製建築物や建造物には、100年以上の長期寿命が求められており、大気腐食の観点から防食対策が必要である。しかし、金属の大気腐食は液滴付着による影響が大きく、特に環境湿度が低くても金属表面の温度が低下すれば、表面湿度が高くなり液滴が付着して腐食が起こる。理論的には表面湿度100%RHで液滴が出るとされるが、超微小液滴はそれになる前に発生する可能性がある。これらが、大気腐食の腐食挙動に関連しており、解明することによって大気腐食のメカニズムへの理解を深めることができる。そこで本研究では、各種湿度下における金属表面での微小液滴の付着挙動および時間経過による水濡れ性の変化について検討するため純鉄の表面湿度を変化させ、表面の変化および濡れ性をマイクロスコープおよび原子間力顕微鏡(AFM)等を用いて調べ、以下の結果が得られた。(1)肉眼で液滴を確認するには、およそ表面湿度100%RHが必要であるが、表面湿度が78%RH前後で既に肉眼では確認できない超微小な液滴が、金属表面に現われていた。(2)液滴凝着のメカニズムは、いくつかの過程のサイクルであり、液滴の成長には金属表面の濡れ特性が重要である。(3)濡れ性に影響するものとして、曝露時間が短い場合は有機汚染物(C-C)の存在が大きいが、曝露時間が長い場合では、腐食生成物の影響が強い。
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Research Products
(3 results)