2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560098
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
夏 恒 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40345335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國枝 正典 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90178012)
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Keywords | 電解加工 / 電解液ジェット / 微細加工 / ノズル / 形状創成 / 重ね合わせ |
Research Abstract |
19年度は以下の研究項目を実行した。 1.加工誤差低減法の試み 3次元形状の創成加工を実現するため、静止したノズルで加工されるピット形状から、単純曲線溝の加工形状を算出した。また、単純曲線溝の重ね合わせにより、任意の球面形状の創成加工に必要なノズルの軌跡と走査速度を求めるプログラムを開発し、実験によりプログラムの有効性を確認した。さらに、単純曲線溝の加工深さや溝と溝の間のピッチが加工誤差に及ぼす影響を調べた結果、単純曲線溝の加工深さを減らしたり、溝と溝とのピッチを最適化したりすることにより加工精度が向上することが分かった。 2.ノズルの消耗とつまりの低減策 直流電源を用いた電解液ジェット加工において、陰極であるにもかかわらずノズルの消耗が観察されている。実験と分析を重ねて行った結果、ノズルは2種類以上の金属が構成されているため、局部電池によって消耗が発生したことが分かった。そこで、ノズルを1種類の金属のみで構成し、局部電池によるノズルの消耗を防ぐことができた。また、微細なノズルを用いて連続加工を行う場合、電解液に溶けている金属イオンでノズルがつまってしまうことがしばしばある。そこで、電解液に2つの電極を浸し、電流を流して電解作用を生じさせ、金属イオンの除去を行った結果、ノズルのつまりを防ぐことができた。 3.ソーワイヤのディンプル加工 シリコンウェーハのスライシング工程で使用されるソーワイヤの砥粒のキャリー効率を向上させるため、スリット上の噴流孔を持つノズルから電解液をジェット状に噴出し、ワイヤ表面にディンプルを電解加工する方法を提案し、実験を行った。その結果、フラットジェットを用いることにより、ワイヤ振動の有無にかかわらずワイヤ表面に微細ディンプルの加工が可能であることが分かった。また、マルチスリットノズルを用いることにより、ワイヤ表面に複数のディンプルを同時に加工することが可能である。
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