2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面粗さのインライン全数検査を実現する高速インプロセス測定システムの開発
Project/Area Number |
18560106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 一仁 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10223918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 眞也 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80163773)
長谷川 裕之 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60403482)
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Keywords | 表面粗さ / インプロセス測定 / 研削 / 熱電対 / 温度変化 |
Research Abstract |
本研究の初年となる今年度は,研削加工における工作物表面の表面粗さのインプロセス測定の目途を付けることを目的に実験的検討を行った。まず,一対の熱電対線を離間した状態で,導電性を有する工作物表面に接触させ擦過させると,工作物の表面粗さに対して線形関係を有する起電力が検出されることが明らかになった。このことにより,生産ラインにおいて研削終了後に工作物の温度が定常になった状態で,本研究で提案する表面粗さ測定法を適用することで,ポストプロセスながら全数検査を実施できる目途が立った。研削加工における表面粗さのインプロセス測定の障壁となっているのは,研削熱によって工作物表面の温度が上昇し,その影響が熱電対線を使用した表面粗さ測定出力に影響を及ぼすため,表面粗さを正確に反映した出力が得られないことである。一方で,熱電対線の種類が異なると,温度変化に対する起電力も異なるものの,表面粗さの変化に対する起電力の出力特性も変化することが明らかになった。すなわち,本研究で提案する表面粗さ測定法における起電力(センサ出力)は,測定面の温度変化による出力成分と表面粗さによる出力成分の和であることが明らかになった。この結果を踏まえて,2種類の熱電対を用いて測定することで,それぞれの起電力特性式を連立することによって,測定面の温度変化による出力成分をキャンセルし,表面粗さのみの出力成分が得られることを実験的理論的に立証することができた。この解析結果を基に,2種類の熱電対を用いた表面粗さセンサを試作し,研削中の工作物の表面粗さ測定を試み,研削過程の各時点において触針式表面粗さ計で測定した結果と比較検討した。その結果,提案した表面粗さ測定法は,研削過程における表面粗さの変化を細かく定性的に追従することが明らかになったが,検出値は実際の表面粗さを大幅に上回り,この測定値の相違の原因解明と対策を今後の課題とした。
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