2006 Fiscal Year Annual Research Report
高耐熱B-C-X系硬質膜を用いた難削材の高効率加工に関する研究
Project/Area Number |
18560113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
神崎 昌郎 東海大学, 工学部, 助教授 (20366024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松室 昭仁 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80173889)
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Keywords | 薄膜 / スパッタリング / ホウ素 / 炭素 / 切削加工 |
Research Abstract |
B_4Cを骨格構造とする高耐熱B-C-X系硬質膜を切削工具にコーティングし,難削材の高効率加工の実現を目指す本研究において,平成18年度は,これまで進めてきたB_4Cターゲットを用いた薄膜形成に関する研究を発展させ,B-C-X系硬質膜創成に関する基礎的知見を集積することを目指して以下の実験を行った. 1.反応ガスとしてCH_4ガスを用いたDCマグネトロンスパッタリング法によるB-C系硬質膜の創成 CH_4ガス導入を変化させることにより膜中の炭素含有量および水素含有量を制御し,摩擦係数を0.2程度まで低下させることが可能であった. 2.B_4CターゲットとCターゲットを用いた二元スパッタリング法によるB-C系硬質膜の創成 現有のDCマグネトロンスパッタリング装置に二つ目のターゲットを装着し,それぞれのターゲットを独立に制御できるように改良を行った.その後,標記の2種類のターゲットを用い,水素を含まず炭素含有量が異なるB-C系硬質膜を創成した.その結果,炭素含有量を最適化することにより20GPa以上の硬度を有するとともに,摩擦係数0.2程度の低摩擦特性を示すB-C系硬質膜の創成が可能であることがわかった. 3.高耐熱低摩擦A1-B-C膜の創成 低摩擦化を図った上記B-C系硬質膜の耐熱性を向上させる目的で,各種ターゲットを用いてAl-B-C膜を創成した.現時点では得られたAl-B-C膜の硬度は10GPa程度であるが,組成および結合状態を制御することにより,大気中-500℃においてほとんど酸化の進行しない膜を創成することが可能であった.
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