Research Abstract |
本研究は,数mm程度のメゾスケール部品の超精密創成に適した,超精密小型加工システムを開発することを目的にして実施したものである.具体的には,これまでに研究代表者が考案し開発に成功している,超精密小型ウォータドライブスピンドルを基盤技術にして,オールウォータドライブの超精密小型加工システムを開発しようとするものである.本年度は,回転角制御機能を具備した小型スピンドルの開発を行い,次の成果が得られた. (1)回転角制御機能を具備した小型スピンドルの開発 これまでの研究で開発に成功し,小型部品のダイヤモンド切削試験を行ってきたウォータドライブスピンドルに類似した,小型スピンドルの開発を行った.このスピンドルは,回転数制御に加えて,回転角制御も可能になっていることを特徴としている.今年度は,このスピンドルを製作した上,スピンドルの性能評価を実施した.さらに,回転角制御システムを開発し,制御実験を行った.開発した制御システムは,回転角フィードバックに加えて,スピンドルに作用する各種負荷トルクのスピンドル制御性能に及ぼす影響を取り除くための外乱オブザーバで構成されている.実験結果によれば,スピンドルのステップ応答実験における定常偏差は,使用したロータリエンコーダの分解能に相当する0.02度であった.また,設計通りの過渡応答が得られることを確認した.さらに,外乱オブザーバの効果により,スピンドルに外部負荷トルクを加えた場合にも,同様な制御性能が得られることを示した. (2)小型加工システムの開発 昨年度の研究において開発したウォータドライブステージと上記小型スピンドルにより,小型加工システムを構築し,基本性能試験を行った.
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