2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁界制御による複雑形状を有するマイクロ管内面の次世代型超精密研磨装置の開発研究
Project/Area Number |
18560121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
西田 均 富山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00390435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 邦雄 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (80251883)
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Keywords | 精密研磨 / 磁性 / 機械工作・生産工学 / ナノマシン / 流体工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は磁界中でも流動できる磁性流体とMR流体を混合した新規の高機能性流体(以下,MCFと呼ぶ)を用いて,磁界制御によってマイクロメーターオーダーの細管や複雑形状を有する細管の内面を高精度に研磨する技術を開発研究することである.本手法は非磁性砥粒を混入したMCFを細管内に流動して,細管の管軸に対して垂直に回転磁界を印加して研磨を行うものである.この技術開発のために平成18年度に以下の研究を行った. 1.本研磨メカニズム解明のための研究 細管内面研磨の基礎理論を得ることを目的にMCFが流動しない,すなわち,MCFを充填した状態で比較的内径の大きい直管(内径10mm)に対して,(1)研磨に及ぼす流体成分の影響(2)研磨に及ぼす磁界分布の影響(3)可視化実験による砥粒の挙動(4)管内面圧力分布,について調べた.その結果,研磨に及ぼす流体成分の影響では砥粒の粒径の影響を受け,砥粒の粒径は分散している鉄粉の粒径と同等以上の大きさが必要であることがわかった.また,本研磨は磁界分布の影響を強く受けることがわかった.研磨効果のある磁界分布は管内面における磁極間の中央で中心軸から最も離れているところで,磁束密度と磁束密度の減少率が大きく,その領域での管内面圧力分布は研磨に必要な圧力があり平坦な谷形状分布を示すものであることがわかった.これらの結果から,本研磨法ではこの領域で形成されるクラスターの側面の管内面側で砥粒が保持され,砥粒にこのクラスターによる加工力が作用して研磨がなされることがわかった. 2.細管研磨装置開発のための研究 研磨装置開発のための準備として,回転磁界機構の設計・製作とピストンポンプを用いた往復流動方式の研磨装置の試作を行った.
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