2006 Fiscal Year Annual Research Report
外科手術ロボットシステム力覚帰還装置のための機構開発
Project/Area Number |
18560125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
島地 重幸 岩手大学, 工学部, 教授 (90005356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 義裕 岩手大学, 工学部, 助教授 (80293009)
橋元 皓 岩手大学, 工学部, 助手 (90003871)
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Keywords | 低侵襲医療 / 腹腔鏡下外科手術 / 外科手術ロボット / ハプティック・フィードバック / 力覚フィードバック / 外套法 / 術具先端力帰還 / 把持力帰還 |
Research Abstract |
腹壁に穴を開けて手術道具と内視鏡を挿入して体内で外科手術が行われているが、これには体内の術具先端機能部の運動を体外から遠隔操作することに伴う操作の困難さがある。 そこで、この困難を解決するためにマスター・スレーブ・ロボットシステムが開発された。しかし、術具先端が臓器と接触するときの力が、術者に帰還できないという問題が残された。この問題に対して、申請者は、術具とその駆動装置を力センサーで支えることで術具先端力を測定する"外套法"を提案した。 本年度の研究では、術具として一般に用いられている使い捨て鉗子だけでなく多自由度運動できる鉗子のいずれでも装着できるもので、術具および術具運動の駆動機構を共に力覚センサーで支える方式の装置において、術具先端力および鉗子顎の把持力を測定できるスレーブロボット用の装置を試作し、性能試験を行った。その結果、駆動部の機構やフレームの変形が術具先端力のための力覚センサーに大きな影響を与えることが分かり、その解決方法として、適切な力覚センサーの配置場所があることを示した。また、鉗子の顎の把持力の測定では、使い捨て鉗子の場合には摩擦力によるヒステリシスは比較的小さいがが、多自由度鉗子の場合には先端の折れ曲がり部分での摩擦力が大きく、ヒステリシスもきわめて大きくなり、根本的な解決方法を探る必要があることが分かった。 また、術具先端の顎の運動に指令を与え、同時に顎の把持力を術者に帰還できるマスターロボット側の操縦桿の試作・性能試験を行った。顎把持力の帰還の方法としてモータ電流として帰還する安価な方法と、力覚センサーを用いた力フィードバック制御による力提示法の二つを試みた。その結果、後者の方法と比べて、前者の方法では設計値の性能は得られてはいるが応答性や精度が悪いことが分かった。
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