2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己潤滑性ナノ粒子添加イオン性液体のトライボロジー特性に関する基礎研究
Project/Area Number |
18560126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 敦 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (50242277)
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Keywords | カーボンオニオン / イオン性液体 / ゲル / ナノ粒子 / トライボロジー |
Research Abstract |
本研究は,カーボンオニオンにイオン性液体を添加してゲル状物質を生成することを試み,その潤滑特性を評価することを目的とした.平均粒径約5nmのダイヤモンドクラスタをアルゴン雰囲気中で1700℃以上に加熱してカーボンオニオンを生成した.カーボンオニオンに添加するイオン性液体には,融点が-71℃と低く常温で液体状態を安定に保ち,入手が容易で,単層カーボンナノチューブのゲル化が可能であるイミダゾリウム系のイオン性液体1-Butyl-3-methylimidazolium-tetrafluoroborate(BMImBF_4)を選択した. カーボンオニオンをイオン性液体に添加し,乳鉢中で混練したのち,超音波加振機で分散させた.その後,遠心分離によって過剰なイオン性液体を除去して相分離を行った結果,カーボンオニオンが分散したイオン性液体は流動性を失って,ペースト状のカーボンオニオンゲルが生成された. カーボンオニオンゲルの空気中における潤滑特性をボールオンディスク式摩擦試験機によって評価した.シリコンウェハ表面にカーボンオニオンゲルを薄く均一になるように塗布し,ステンレス鋼球を押しつけてしゅう動させて摩擦力を測定した.比較の潤滑材として単層カーボンナノチューブゲルとイオン性液体を用いた.その結果,低荷重領域ではしゅう動速度によらずカーボンオニオンゲルは高い摩擦係数を示すが,低しゅう動速度かつ高荷重の場合には,ゲルはイオン性液体単独よりも低摩擦特性を示すことがわかった.また,添加されるナノカーボンの種類によってゲルの潤滑特性が異なることがわかった.
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Research Products
(3 results)