2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己潤滑性ナノ粒子添加イオン性液体のトライボロジー特性に関する基礎研究
Project/Area Number |
18560126
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 敦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50242277)
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Keywords | トライボロジー / ナノ材料 / イオン性液体 / 自己潤滑 / カーボンオニオン / ダイヤモンド |
Research Abstract |
トライボロジーの高度化が求められており,これに対応するためは新物質を効果的に適用する必要がある.潤滑材料の領域では,液体潤滑を担う新物質として不揮発性・難燃性などの特徴を有するイオン性液体がより広い適用環境を有する新トライボロジー材料として高い可能性を有し,また,固体潤滑の分野では自己潤滑性ナノ粒子が新固体潤滑材として提案されている.耐環境性に優れ,マイクロ・ナノからマクロ領域までの潤滑制御に適するトライボロジーシステム構築の可能性を探るため,自己潤滑性ナノ粒子を添加したイオン性液体からなる複合系を生成し,その基礎的なトライボロジー特性を明らかにすることを目的とした.自已潤滑性ナノ粒子としてカーボンオニオンを選択し,これを添加したイオン性液体複合系のトライボロジー特性をボールオンディスク摩擦試験を採用して評価した.大気および真空中にて,摺動部の温度を常温から数百℃に変化させて試験を行った.その結果,しゅう動負荷が高い場合,複合系はイオン液体自身よりも低い摩擦係数を示した.これは,複合系の粘弾性が増加し,複合系の潤滑挙動がグリースの潤滑挙動に近いものになったためと考えられる.また,真空中での複合系の潤滑特性は,室温,200℃ともにイオン液体自身より優れていることがわかった.一方,自己潤滑性ナノ粒子としてダイヤモンド微粒子を分散させたイオン性液体複合系についても同様の評価を行った.シリコンウェハ上でのしゅう動試験の結果,複合系はシリコン表面の摩耗を伴うことがわかった.
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