2007 Fiscal Year Annual Research Report
拡散電気二重層を使ったナノメートルスケール液体潤滑膜の負荷能力測定
Project/Area Number |
18560127
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
桃園 聡 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (70262300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京極 啓史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70153236)
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Keywords | トライボロジー / ナノトライボロジー |
Research Abstract |
マクロな系においては,流体潤滑は表面間の摩擦を最も小さくする方法として知られているが,分子間引力(van der waals力など)が支配的な系においては,表面同士のすべり速度がごく低速だと,十分な動圧効果による負荷能力が得られず,分子間力に打ち勝つことができない.しかし,流体潤滑の優れた特徴を考えると,液体中で動作するMEMSを発達させるためにも,このような系でも成立するような新しい原理に基づく流体潤滑機構が必要となる.その機構のひとつとして,研究代表者らが提案した拡散電気二重層による潤滑機構では,表面間の反発力が数nmから10nmの範囲で発生するvan der Waals引力にも十分打ち勝つのに十分な力を発生させることが計算で確認されている. そこで,走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用い,液中でプローブの曲率や相手表面・プローブへの電位,イオン種およびイオン濃度,プローブと表面との間の距離などをパラメータとして,表面間の斥力すなわち軸受負荷能力を測定し,拡散電気二重層によるナノオーダ液体潤滑の可能性を検討することが本研究の目的である. まず,研究室に既存のSPMを液中で測定できるように改良した.市販のプローブに,数μmの金球を接着し,接着層付近の導電性を保つため公称20nmの金膜をスパッタした.潤滑剤としてはイオン種として単独でも潤滑剤としての利用が検討されているイオン液体を用いた.プローブ・電極間に10mV〜150mVの電圧をかけた場合の反発力(=静的な軸受負荷能力)の測定を行い,イオン反発力が発生することを昨年度より詳細に検討した.
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