Research Abstract |
本研究では,予備研究で開発した平面曲線に対する「美しい曲線の一般式」を核として,それを空間曲線,曲面に拡張し,さらにそれらを用いた意匠デザインシステムを開発することを目的として研究を行い,以下の成果を得た。対数型美的曲線は,対数(等角)らせん,クロソイド曲線,インボリュート曲線,さらにはNielsenのらせんを含み,接線ベクトルの積分形式としてのみ与えられている場合であっても対話的な生成,変形が可能であり,実務への応用が期待されている。しかしながら,これまでに提案された3点による美的曲線セグメントの入力法では,曲率が単調に増加,または減少する美的曲線セグメント1本しか入力することができず,曲率が増減し曲率の極値を持つ曲線や曲率の正負が反転する変曲点を持つ曲線を入力することができない。そこで,まず本研究では変曲点を端点とする美的曲線セグメントの入力法を提案した。つぎに,液晶ペンタブレット等で入力された点列からのG2連続性を持つ美的曲線の生成法を提案した。本研究では,さらに与えられた4個の制御点を用いて,異なる曲率対数グラフの傾きαを持つ2本の美的曲線セグメントから成る複合リズム美的曲線の生成法を提案した。本手法により,指定されたα値を持ち,曲率対数グラフが折れ線状になる曲線を作成することを可能とした。さらに,カースタイリングデザインへの複合リズム美的曲線の利用を意図して,市販車のキャラクタラインをそれらの曲線で再現できること,また実務を志向したカーデザインに適用できることを確認した。
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