2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560132
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
柳田 秀記 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (90166554)
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Keywords | 静電フィルタ / 電荷注入 / 絶縁性液体 / 潤滑油 / イオンドラッグ / 汚染管理 / 再利用 / 数値解析 |
Research Abstract |
浄化速度を高めるのに適した内部構造や運転条件の決定などのために,電荷注入式静電フィルタの特性を明らかにすることを目的として,H19年度は,以下の二つの項目について研究を実施した。 1.電荷注入に伴うイオンドラッグ流れとフィルタ性能の関係 2次元形状の突起を有する可視化用モデルを用いて,印加電圧と電極間距離を種々変えて,注入電極の突起先端近傍から生じるイオンドラッグ流れを実験により調べた。また,数値解析も実施して実測結果と比較した。測定と数値解析の結果,イオンドラッグ流れの強さは油種により異なり,正極性よりも負極性の電荷注入時により強くなること,また,印加電圧と電極間隔の増加に伴い強くなることを明らかにした。また,平滑電極面上に捕捉された粒子の挙動観察より,捕捉された粒子がイオンドラッグ流れにより離脱されることがわかった。以上の結果から,浄化速度が電圧の増加に対して飽和する傾向を示し,電極間隔の低下に対しては単調に増加するのは,イオンドラッグ流れにより粒子の捕捉が妨げられるか否かに依存しているとの結論を得た。数値解析結果は実測値と傾向は一致するが,定量的には十分ではなく,電荷注入量やイオン移動度の電界依存性について調べていく必要がある。 2.コレクタの形状、配置方法の影響 突起電極と平滑電極の間に挿入するコレクタ(円形または矩形状の穴あきステンレス平板)の形状、配置について種々のものを試作し,その挿入位置が変えられるフィルタモデルを試作して浄化実験を実施した。突起先端の延長線上が開口部となる形状のコレクタを,突起先端近傍に配置した場合に浄化速度が最も速くなることを明らかにした。
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