2007 Fiscal Year Annual Research Report
超低摩擦係数アモルファスSiC薄膜の創製及び摩擦・はく離強度評価
Project/Area Number |
18560134
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 昌彦 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70274115)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅田 淳 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60162913)
|
Keywords | SiC / スパッタ / 摩擦・摩耗 |
Research Abstract |
本年度は,超低摩擦係数アモルファスSiC薄膜の創生のため,以下のことを行った. 1. ヘリコンスパッタによるSiCコーティングヘリコンスパッタ装置(MPS-3000-HC,日本電子)に新たなターゲットを追加し,SiCターゲットおよび2種類の金属ターゲットを同時スパッタして薄膜を作製可能なように,装置の改造を行った.金属ターゲットとして,まず,Ti,Al,Taを選定し,これらのスパッタ特性を評価した. 2. SiC薄膜をコーティングした試験片を,自作のピン・オン・ディスク型摩擦・摩耗試験機を使用して摩擦係数測定ならびに摩耗量測定を行った.その結果,摩擦係数は摩擦サイクル数の増加とともに低下し,最低値は0.04と,これまでに得られた摩擦係数と同程度であった. 3. SiC薄膜の摩擦係数の低減と摩擦面に発生する微細な摩耗紛との関連を検討するため,摩耗試験の途中で試験を中断し,摩耗痕に生じる摩耗紛を,走査型顕微鏡およびレーザー顕微鏡で観察を行った. 4. 薄膜のはく離強度は界面の形状に影響されるので,薄膜のはく離強度を改善する試みとして,スパッタエッチング法により界面に微細な凹凸を設けることを試みた. マイクロエッジインデント法による薄膜はく離強度評価を行った.本評価法は薄膜エッジ近傍にダイヤモンド圧子を押込むことにより,薄膜のせん断はく離強度を定量的に行なうものであり,試験片に特別な加工をする必要はない.集束イオンビーム装置(SMI 9200D,セイコーインスツルメンツ)を使用して,薄膜にエッジを作成した後,マイクロインデンタ(MZT-4,アカシ製)を使用してエッジインデント試験を行なった.
|
Research Products
(1 results)