2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大野 信義 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039265)
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Keywords | 宇宙用潤滑油 / 宇宙用グリース / EHL / 転がり軸受 / 軸受寿命 / MAC / 815Z / PFPE |
Research Abstract |
宇宙機器用転がり軸受の潤滑剤としては固体潤滑剤,潤滑油,グリースが使用されているが,近年宇宙機器の長寿命化,運転条件の過酷化に伴い,潤滑油やグリースの使用傾向が増加している.宇宙用の潤滑油・グリース基油として最も広く用いられているのはフッ素化ポリエーテル(PFPE)であるが,PFPEの欠点を補うべくシクロペンタン(MAC)系の潤滑油・グリース基油が開発され使用に共されている.本年度得られた結果は以下の通りである. 1)宇宙用PFPE基油とグリースの転がり軸受寿命試験を行った結果,グリースに比べ基油が著しく短寿命となったが,その原因として基油の永久粘度低下に伴うガスの発生によることを明らかにした. 2)宇宙用MAC系基油とグリースの転がり軸受寿命試験を行った結果ならびに先に報告したPFPE基油とグリースの試験結果と比較検討した結果MAC系基油とグリースの軸受寿命はパラフィン系基油・グリースの軸受寿命の2倍に,PFPE基油グリースでは5倍以上になることが分かった. 3)基油815ZのEHL条件下での一時的粘度低下は液体領域で,永久粘度低下は粘弾性固体領域,弾塑性固体領域で起こる.永久粘度低下は油分子の切断に伴うHFの発生をもたらし,軸受寿命を著しく低下させる.増稠剤(PTFE)は油分子切断防止作用がある.MoS2は軸受寿命を著しく低下させることがわかった.
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