2007 Fiscal Year Annual Research Report
斬新なエネルギーの散逸原理を用いたコロイダルダンパーの実用化に関する研究
Project/Area Number |
18560146
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
SUCIU C.V Fukuoka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (20412611)
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Keywords | 機械要素 / 懸架装置(サスペンション部) / 緩衝装置(バンパ部) / ナノダンピング / コロイダルダンパー / コロイド溶液用容器 / 動特性・減衰特性・耐久性 / 初期圧力・初期位置・漏れ対策・ |
Research Abstract |
本研究ではコロイダルダンパーを実用化するための応用研究を行った。実用化として、コロイダルダンパーを車の懸架装置や緩衝装置のダンパーに応用し、実用的な特性を調べた。 本研究の一方では昨年度に引き続いて、3種類の緩衝器(古い油圧ダンパー(10万km)、新しい油圧ダンパー(0km)、コロイダルダンパー)を車の懸架装置に取り付けて、振動の測定装置(運転席及び懸架装置の上下に加速度計、GPS速度計など)を装着し、半正弦波段差路面による走行実験を行い、l車の乗心地や凹凸路面よりドライブへの振動の伝達率を評価し、動特性に関して油圧とコロイダルダンパーとの比較を行った。その結果、油圧ダンパーの経年劣化によって車の乗心地や振動の伝達率が悪くなり、試してみたコロイダルダンパーの性能は、新しいと古い油圧ダンパーの性能の間になった。しかし、各ダンパーの乗り心地ファクタが10〜100の範囲内に変動してしまい、長時間が走行した場合は乗客の気分や能率に悪い影響を及ぼすことが分かった。今回はバネ付きコロイダルダンパーで実験を行ったが、バネなしでも全懸架装置と同じ働きができるので、これからバネなしで実験を行い、シリカゲルの種類や初期圧力の制御によって、車の乗り心地が1〜10の快い範囲内に変動するようにダンパーの減衰係数を調整することは今後の課題となる。 本研究の他方では、コロイダルダンパーを含めた衝突の実験装置(バリア型)を設計・製作し、車としてガソリンエンジンを用いたRCカー(質量:5.8kg、最大走行速度:60km/h)を使い、ピアノ線によって車の案内面ができた。動圧力計・変位センサー・ガン速度計で、衝突時にシリンダ内の圧力・ピストンの変位・RCカーの速度を測定した。その結果、車の運動エネルギーとダンパーの散逸エネルギーを比較し、水や不凍液を用いたダンパーの衝突特性及び車の安全性を実験より検討した。
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