2006 Fiscal Year Annual Research Report
内側壁面が回転する環状曲面拡大流路内乱流のLES解析とPTV計測
Project/Area Number |
18560154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
村田 章 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (60239522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 貞成 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (10013715)
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Keywords | 流体工学 / 可視化 / 不安定流れ / 計算流体力学 / 粒子画像流速計 / ラージエディシミュレーション / 乱流 |
Research Abstract |
内側壁面が回転する環状流路は遠心分離機,ジャーナル軸受,回転機械にみられ,工業的に重要である.この流路では,軸方向の貫流によるせん断不安定に加えて,回転によるせん断不安定,周方向流線曲率による遠心力不安定,凹曲面上での貫流方向流線曲率による遠心力不安定といった複数の不安定流れ現象が同時に発生する.実際の流れは乱流であり,軸方向に流路面積が変化する場合が多い.本研究は,この複数の不安定流れ現象が同時に現れる乱流場の挙動をラージエディシミュレーション(LES)と粒子画像流速計(PTV)による速度場計測によって明らかにすることを目的とする. 本年度製作した環状曲面流路の壁面は4分の1円弧を回転させた形状(内側曲面が凹面.以下凹型流路)であり,外側壁面は透明アクリル製である.内側壁面は回転テーブル上に固定され,回転する.トレーサー粒子を水に混ぜ,流れ場を可視化し,高解像度CCDカメラで撮影した.2時刻間での粒子位置追跡を行うことで2次元速度場と乱れ強度を算出した.貫流レイノルズ数Re=1000一定のもとで,内側壁回転数(テイラー数Ta=0-4000)を変化させての実験を行い,静止時には貫流方向流路曲率により流れが剥離すること,回転時には内壁側で回転遠心力により貫流方向速度成分が増加し下流部では乱れ強度が上昇することが分かった. 一般曲線座標系での2次精度差分法を用いたLES解析では,実験流路と幾何学的に相似な凹型流路での計算をRe=1000,Ta=0,2000の条件で行った.回転時に下流部の流れは周方向に伸びた渦構造を持ち,乱れ強度は低いものの乱れた流れになる様子が再現された.さらに実験に先行し,外壁側に凸面となる凸型流路での計算も行い,回転時にはテイラー渦に近い流れが誘起され,同一回転数であれば凹型流路に比べてより微細な渦構造が形成されることが分かった.
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Research Products
(2 results)