2007 Fiscal Year Annual Research Report
内側壁面が回転する環状曲面拡大流路内乱流のLES解析とPTV計測
Project/Area Number |
18560154
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
村田 章 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60239522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 貞成 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10013715)
|
Keywords | 流体工学 / 可視化 / 不安定流れ / 計算流体力学 / 粒子画像流速計 / ラージェディシミュレーション / 乱流 / 熱伝達 |
Research Abstract |
内側壁面が回転する環状流路は遠心分離機,ジャーナル軸受,回転機械にみられ,工業的に重要である.この流路では,軸方向の貫流によるせん断不安定に加えて,回転によるせん断不安定,周方向流線曲率による遠心力不安定,凹曲面上での貫流方向流線曲率による遠心力不安定といった複数の不安定流れ要因が同時に作用する.さらに実際の流れは乱流であり,軸方向に流路面積が変化する場合が多い.本研究は,この複数の不安定流れ要因が同時に作用する拡大流路内乱流場の挙動をラージエディシミュレーション(LES)と粒子画像流速計(PTV)による速度場計測によって明らかにすることを目的とする. 環状曲面流路の壁面は4分の1円弧を回転させた形状であり,内側曲面が凹面・凸面のものをそれぞれ凹型・凸型流路と呼ぶ.2時刻法での粒子画像流速計により時間平均速度場と乱れ強度を算出した.貫流レイノルズ数Re=1000〜10000,内側壁回転数の無次元数(テイラー数)Ta=0〜8000と変化させて実験を行った.Re=1000の回転時には下流部で乱れ強度が上昇した.Re=10000の回転時には下流部に加え上流部でも貫流による剥離泡付近で乱れ強度が上昇した.回転時には下流側からの逆流が発生した. 一般曲線座標系での2次精度差分法を用いたLES解析では,実験流路と幾何学的に相似な凹型・凸型流路での計算をRe=1000(一定),Ta=0〜4000の条件で行った.周方向の計算領域は45度,90度,360度の3通りである.内壁回転により上流側での周方向一様な渦が下流部で乱れた流れになる様子が再現された.テイラー数,流路形状,流路内位置(上流側,下流側,内壁側,外壁側)によって渦構造が異なる様子が観察された.また,熱伝達率分布は出口部からの逆流と乱流輸送により複雑な分布を示した.せん断力分布やトルク係数の結果から各流路での流れ場の違いが明確になった.
|
Research Products
(2 results)