2006 Fiscal Year Annual Research Report
揺動翼方式によるジャイロ型垂直軸風車の性能改善と騒音低減に関する研究
Project/Area Number |
18560158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木綿 隆弘 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (40225107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 繁男 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (70272953)
小松 信義 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20436827)
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Keywords | 風力発電 / 垂直軸風車 / ジャイロ型風車 / 揺動翼 / 直線翼 / 風洞実験 / 数値シミュレーション / 騒音低減 |
Research Abstract |
本研究では、リンク機構を用いた動力源を用いずに風車の回転により翼ブレードの迎角(ピッチ角度)を流入風向に合わせて揺動させることで、固定ピッチの風車よりも多くの風力エネルギーを回収できる高性能な垂直軸風車の開発を目的としている。今年度は、ジャイロ型垂直軸風車において揺動翼方式に適した運転条件を得るために、4節リンクの長さの組み合わせを変えることによる最適なリンク長さの決定、様々な翼形による風車性能を比較検討した。揺動翼の振れ角や取付角度は、リンク長さによって容易に可変でき、偏心リンク長さまたは翼部リンク長さを変えることで振れ角の振幅の調整を、第2リンク長さを変えることで翼の取付角の調整をできることを明らかにした。翼形を平板翼、NACA63_4-221翼、MELO81翼、EPPLER193翼の4種類で実験を行い、対称翼に近いNACA63_4-221翼を用いた風車性能が最も良いことを示し、偏心角度θp=0°、取付角αc=11.9°、振れ角αw=±15.O°の揺動翼風車は固定ピッチ式垂直軸風車よりも性能が高く、最大効率は周速比λ=1.0付近で約23%となることを明らかにした。また、本風車が風向に対する指向性があることから、偏心リンクが風下側にある場合に最も回転数が上昇することを利用して、偏心リンクに尾翼をつけることによる風向に対するパッシブな制御を試みた。その結果、プロペラ風車と同様に風向変化に対して追従性があることを明らかにした。さらに、翼ブレードが揺動する際に消費される動力を見積もるために、材質がアルミと鉄の2種類の平板翼で実験を行い、理論解析とほぼ一致した。また、固定ピッチ角の垂直軸風車の数値シミュレーションをFLUENTを用いて行い、風洞実験での出力係数とほぼ一致した結果を得た。現在は、翼を揺動させるためのモジュールの構築を行っている。以上の研究成果は、日本機械学会で報告した。
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Research Products
(4 results)