2006 Fiscal Year Annual Research Report
低風速域に対応したダウンウィンド形水平軸風車の開発研究
Project/Area Number |
18560167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
前田 太佳夫 三重大学, 大学院工学研究科, 教授 (80238865)
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Keywords | 風力 / 流体工学 / 新エネルギー / 再生可能エネルギー / 環境技術 |
Research Abstract |
本研究では低風速域において変動風速と変動風向に対応して安定して高出力が得られるダウンウィンド形(タワー下流側でロータが回転する形式)の小型水平軸風車の開発研究を行う.大型風車は各地に設置されているが用地確保や空力騒音,電力変動の問題から設置場所が限られ,風力発電の普及が滞りつつある.そのため,分散型エネルギ源として電力需要の多い都市部にも設置できる風車の開発が期待されている.しかしながら,都市部で普及するための条件としては,設置面積が小さい,低風速でも出力が見込める,騒音が小さいなどの条件を克服する必要がある. 以上の背景により本研究では風速が低い都市部でも安定して出力が得られる低騒音の風力タービンの開発研究を行う. 本年度は風洞実験用の直径2.4m(ブレード長1.06m)の風車ブレードを運動量モデルにより設計した。これまでの研究から翼に流入する斜流が翼性能を向上さえることが明らかになっているので,ダウンウィンド形で運転するときにも後退角を与えると斜流と同様な効果が期待できるため,翼根元のフランジ部で後退角の角度を調整できるようなハブ構造とした.設計した風洞実験用風車翼は外注により樹脂型を製作し,これをもとに樹脂製ブレード4本製作し,そのうち1本は回転中の翼面圧力を測定できるように,圧力導管を翼に埋め込み,そこに翼表面静圧測定孔を半径方向に4断面設けた.各断面には30孔の加工を施し,圧力勾配の大きい翼前縁においても精度良く流体力を測定できるようにした.
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