2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560177
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
尾池 守 Ishinomaki Senshu University, 理工学部, 教授 (70292282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 勝秀 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30375117)
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Keywords | 流体工学 / 低温物性 / 混相流 / 流体連生振動 |
Research Abstract |
本研究では高密度過冷却液体窒素管内流のキャビテーション発生時に励起される不安定圧力振動に関する実験的、理論的検討を行い、その発生限界を同定するとともに、管路に励起される流体連生振動との相関性を究明した。その結果、ノズルスロートで発生するキャビテーションの挙動は下記の3種類に分類されることが分かった。 1.連続的挙動:一旦キャビテーションが発生すると連続的に発生し続けるが、キャビテーション発生時に上流静圧や体積流量の大きな変動は生じない。76Kより高い温度域で観察される。 2.間歇的挙動:キャビテーションが一旦発生しても数十ミリ秒程度しか存続せず、キャビテーション発生時には数百kz、数十kPaの圧力振動が生じる。74Kより低い温度領域で主に発生する。 3.中間的挙動:キャビテーションの発生時に圧力・体積流量の大きな変動を伴う。この変動は1〜2秒で安定するが、数秒から数十秒後に前触れもなくキャビテーションが消失し液体単相状態へと戻る。この挙動は73K〜76Kの温度域で観察される。 これら3挙動が発生する主要因は気液二相化に伴う音速の降下によりスロートでチョークすることであり、区分する温度は、スロートで気液飽和状態となる飽和流速及びスロートでキャビテーションが初生する最大過熱流速と気液二相状態の音速との大小関係から決まるがことが分かった。また中間的挙動で生じる大きな圧力変動は、スロートでのチョークによる水撃的な作用に起因する低周波成分とキャビテーションクラウドのボイド率分布による音速の局所的変動に起因する中周波数成分、ならびにキャビテーション崩壊に起因する高周波数成分で構成されることが明らかとなった。さらに、このような圧力変動に連生した配管振動は半径方向加速度に特徴的に現れることが確認できた。
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