2006 Fiscal Year Annual Research Report
PIV/LIF同時計測手法による成層流体中の回転円筒周りの流れに関する研究
Project/Area Number |
18560183
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
福島 千晴 広島工業大学, 工学部, 准教授 (30262752)
|
Keywords | 流体工学 / 成層流体 / 渦構造 / 条件付解析 / 混合・拡散 |
Research Abstract |
本研究は,粒子画像速度計測法(PIV)とレーザ誘起蛍光法(LIF)による同時計測手法を確立すること,そして密度成層流体中で回転運動を開始した円筒周りに生じる流れをPIV/LIF同時計測手法を用いることにより捉え,渦構造に及ぼす成層の効果,および流れの混合と拡散機構を明らかにすることを目的としている.主として次の3点,(1)流れの可視化による定性的な流れパターンの解明とその分類,(2)PIV/LIF同時測定による成層流体中の速度-濃度相関の解明,(3)界面形状(変動濃度・変動渦度)の変化に伴う流れの混合と拡散機構の解明,に注目して研究を進めている.このうち本年度は(1)について以下のことを明らかにした. 実験は,直径d=8〜20mmの円筒を実験水槽内(水深H≒360mm)に鉛直に支持して行った.回転円筒の周囲には,軸対称な境界条件を実現するため内径340mmの円筒が設置されている.水槽内では,底面および水面付近を除いた観察領域内において直線的な密度成層が実現している.実験条件は,レイノルズ数Re=r^2ω/v=100〜300,フルード数Fr=ω/N=4〜12である.流れの観察は,主として電解沈殿法・色素注入法による流れの可視化により行い,渦輪列の臨界波長λ_0,発生開始時間,渦輪列の揺動,波長および長さスケールの時間変化を調べた. その結果,渦輪列の発生直後の領域では,均質流体および成層流体の両者に有意な差異はなく,またFr数の効果も認められない.時間の経過に伴い,成層流体中の渦輪列は,Re数およびFr数の増加とともにそのスケールが増加する.色素パターンの揺動とその結果形成される特異な界面形状を持つ層構造は,円筒表面から新たに生成される渦構造と密接に関連することが推察できる.今後,層構造が変化する過程と揺動との関係,及び流れの混合との関連を明らかにしていきたい.
|