2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ熱流体システムの構築を志向した液膜及び固液界面における熱・物質移動の基礎研究
Project/Area Number |
18560188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40211833)
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Keywords | ナノ流体 / 液膜 / 固液界面 / 分子動力学 / 熱移動 / 物質移動 |
Research Abstract |
ナノスケールの熱流体を用いてバルクの流体にはない特性をもたせた系を、ここでは「ナノ熱流体システム」と呼ぶ。リソグラフィーなどファブリケーション技術を用いて製作した固体のナノ構造(チャネル、平板間の隙間など)に流体を静止状態あるいは流動状態で満たしたものや、例えば生体細胞のように膜で包まれて構造を保つものなど、様々なシステムが考えられる。このようなナノ熱流体システムを用いて熱・運動量・物質の新たな輸送機能を作り出し、革新的な熱流体デバイス(機械)を創成しようとの全体構想の下、基礎研究としてナノ熱流体システムの鍵となる固液界面や液膜・流動性分子膜における熱・物質移動の特性を明らかにするのが、本研究課題の目的である。 本年度は、まず、固体壁面に接する液体膜について分子動力学計算系を構築し、液膜内及び固液界面を輸送される熱エネルギーについて、分子間エネルギー伝搬の概念を用いて、その特性を解析し、分子間相互作用のパラメータ、固体分子の配列(結晶面)、固体壁の表面状態(原子レベルの凹凸や配列の乱れ)など支配因子の影響を明らかにした。液体については、単純液体および水について解析を進めており、現在さらに高分子液体についての解析を準備中である。また、固体表面近傍の液体(水)領域における物質輸送特性について解析を開始し、界面近傍で界面垂直方向の物質輸送が著しく減退するなど、特異な現象を観測した。 さらに、細胞膜を模倣した水中の脂質(DPPC)二重膜について計算系を構築し、その物質・熱輸送特性を解析する分子動力学シミュレーションを開始した。平成19年度前半には最初の信頼できるデータが得られ始める予定である。
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Research Products
(5 results)