Research Abstract |
マイクロチャネルに大流量の気液二相流を流した場合の液滴飛散限界を評価するために,三角断面および台形断面形状のマイクロチャネルを用い,液滴飛散限界の実験測定を行なった.今年度は,前年度まで行ってきた水-空気系の実験に加え,フロリナート(FC-3283)-空気系の実験を用いて,溝形状,流路長さ,流量,乾き度をパラメータとした実験を行った.評価方法は,出口部での可視化を行うとともに,飛散した液滴を下流の気液分離器で捕獲し,その重量を測定することで液滴飛散限界を求めた.ここで,液滴飛散限界は,液相の1%以上が気相にエントレインされる最大流量と定義した.その結果,フロリナートにおいても,片側の壁面が急拡大するバックステップ流れにおける液滴飛散限界は,液膜レイノルズ数,気相見かけ速度とチャネル幅で定義したウェーバー数,およびチャネル幅および流路長さで定義される修正ボンド数の関数となることがわかった.即ち,液膜レイノルズ数が小さい場合は,液滴飛散限界は比較的大きいウェーバー数で観察されるが,液膜レイノルズ数が増加するとともに,液滴飛散限界を与えるウェーバー数は減少した.また,滴適飛散限界を与えるウェーバー数の液膜レイノルズ数依存性は,ボンド数によって影響を受けることも明らかとなった.最終的に,溝幅と気相見かけ速度で定義されるウェーバー数と,縮流部液膜レイノルズ数および修正ボンド数を用いて,水-空気,フロリナート-空気系二相流における液滴飛散限界を無次元整理した.
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