| Research Abstract |
本研究では,砂型の成形方法として水分を含む砂型に低温空気を送り凍結成形する方法について検討した.
(1)本年度は,まず砂型凍結成形法に関する実験装置を作製した.実験装置は試験部,低温空気供給系統,データ採取系統から構成されている.試験部は,透明塩化ビニルを用いて作製し,試験部中央部は,高さH=180[mm],幅W=[100mm],奥行きD=100[mm]の内部寸法を持ち,ここに供試砂を充填する.試験部には圧力タップ,内部温度測定用熱電対を設置している.供試砂層下部には,試料保持のためステンレス製の多孔板を設置した.これらの実験装置を用いて,冷却空気温度,空気流量,砂の含有水分量,空気出口形状の影響による凍結挙動の差異について検討を行った結果,以下のことなどが明らかになった.一般的凍結挙動としては,試料内温度には凝固潜熱放出の影響が確認できること,試料内水分は蒸発によって流入空気に移動し減少することが確認できた.また,空気の流入によって試料内の水分が充填層の下方に移動することも確認された.さらに,諸因子の影響については,添加水分量が増えるほど凍結完了時間は長くなるが,圧力損失に関しては添加水分量の違いによる顕著な差がないこと,一方,添加水分量1[mass%]の条件では試料表面が乾燥し,凍結後形状を維持できないことが確認できた.また,充填層の出口形状を変更した場合,圧力損失は変化するが,試料内温度変化の挙動に違いが見られないことを明らかにした.
(2)実験と合わせて,砂型に低温空気を流入させた場合の水分の凍結挙動について数値解析を行った結果,本研究で提案した数値解析モデルでは,流入空気との摩擦により移動する試料内水分の影響や,添加水分量と圧力損失関係に関して課題が残るものの,概ね低温空気の通風による湿り粒子充填層の凍結現象を再現できることが判明した.
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