2006 Fiscal Year Annual Research Report
多成分燃料噴霧内気・液相濃度分布の新しいレーザ計測法の開発
Project/Area Number |
18560201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
張 玉銀 東京電機大学, 工学部, 講師 (20335706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 恵哉 広島大学, 工学研究科, 助教授 (90156076)
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Keywords | レーザ計測法 / 噴霧燃焼 / 多成分燃料 / エンジン / 熱機関 |
Research Abstract |
本研究では,高温高圧雰囲気に噴射した多成分燃料噴霧内の蒸気・液滴濃度分布を分離・定量的に計測できる技術を開発し,その技術をディーゼル,ガソリンなど多成分燃焼噴霧に適用することにより,噴霧内沸点の異なる成分の蒸発特性および噴霧の混合気形成機構を明らかにすることを目的とする。平成18年度には試料の選定などを行い,下記の実績が得られた。 (1)まず,n-octaneを揮発性のよい成分,n-tridecaneを揮発性の悪い成分とした2成分燃料(混合物)を一定の質量割合で作った。二波長吸収散乱法(LAS)を適応するに試料の選定が要するため,その2成分燃料の各成分の物性値に近く紫外光(266nm)に強い吸収を示す単成分試料(それぞれn-octaneの代わりにp-xylene, n-tridecaneの代わりにα-methylnaphthalene)を選出した。 (2)既存の高温高圧吸収セルにおいて分光器を用い,以上の各成分を代替する単成分試料の吸収スペクトルの測定を行った。さらに各高温高圧条件で吸光度の測定により吸光係数を求めた。その結果,p-xyleneは266nmにおける吸光係数の温度依存性が非常に小さく,揮発性のよい成分n-octaneの代替として最も適していること,α-methylnaphthaleneは吸光係数の温度依存性がやや大きいものの,266nmの紫外光に強い吸収を示すし,n-tridecaneの物性値に非常に近いため,その代替として適当であること,が分かった。 (3)2成分燃料の各成分に,紫外光に吸収を示す単成分試料を一つずつ入れ替えたとき,計算機を用いて各温度・圧力における2成分試験燃料の物性値および気液平衡などを推算することにより,混合燃料の性状の変化について調査を行った。その結果,n-octaneの代わりにp-xyleneまたはn-tridecaneの代わりにα-methylnaphthaleneを使ったとき,元燃料と比べ,粘度,表面張力,密度などの物性はほぼ変わらなく,その2成分試料(混合物)の活量係数も小さい(従って理想溶液として扱える)ことが分かった。っまり,この2成分試料は実際の2成分燃料を模擬できることを確認した。 (4)初年度に取得したデータをまとめたものをSAE International国際会議(2007年7月開催予定)に投稿している。
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