2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ多孔質体内気液二相流の熱流動解析モデルの確立
Project/Area Number |
18560206
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 英夫 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (70150505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 芳徳 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20334469)
|
Keywords | マイクロ多孔質体 / 気液二相流 / 解析モデル / 燃料電池 / 拡散層 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池の実用化・高性能化のために、電極拡散層部を流れる酸素を含む空気・水蒸気と水分液体の気液二相の流動を対象として、マイクロスケール多孔質体内の気液二雄流に関する圧力損失の測定と流動様相観察の実験を行い、その結果に基づいて、数値解析モデルを完成した。実験では、前年度に引き続き、窒素ガス+水蒸気の2成分ガスに水分(液体)を負荷した気液二相を試験多孔質体を通過して流し、気液二相流中に液相が少ない場合あるいは逆に多い場合について、特に詳細な圧力損失の測定と流動様相の観察を行った。解析では、前年度また本年度得た種々の条件の実験データと、流動様相の観察結果ともつきあわせて、数値解析モデルの改良を行い、電極拡散層部を対象とした2次元モデルの数値解析を実施した。これらより、以下の結果を得た。 1.基材部と撥水材部の液相相対透過率と気相相対透過率は、水銀圧入法による細孔径分布からそれぞれの毛管圧九を見積もり、Burdineの式に適用することで、再現できる。 2.流出様相の観察より、液体流量の増加にともなって、流出細孔の数が増加することがわかった。 3.数値解析より、基材部と撥水材部の境界で水の蒸発が生じていること、基材部の飽和度が大きくなって酸素の拡散を阻害しやすいこと、また撥水材部の細孔分布を基材側に近づけることで基材部の飽和度を小さくできるものの、液相圧力が低下し電解質膜で十分な水分を保持できなくなるため、両者の兼ね合いにより最適拡散層の設計を行う必要があることがわかった。
|
Research Products
(2 results)