2006 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面上での氷の付着に対する伝熱現象及び界面現象の寄与度に関する研究
Project/Area Number |
18560212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松本 浩二 中央大学, 理工学部, 教授 (60229549)
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Keywords | 氷の付着力 / 冷却熱流束 / せん断応力 / せん断仕事 / 界面 / 表面エネルギー / 付着エネルギー |
Research Abstract |
2006年度は,試験板一氷界面での氷の剥離挙動からせん断応力(単位面積当たりの氷結力)と試薬により試験板表面の濡れ角を,その材質や表面状態を変えてそれぞれ測定された.濡れ角から表面エネルギーが計算され,せん断仕事と付着エネルギーがせん断応力と表面エネルギーからそれぞれ算出された.そして,固体表面上での氷の付着のメカニズムを解明するために,氷の付着に対する伝熱現象及び界面現象の寄与度を検討した.その結果,現状では以下の結論が得られた. 1.氷の冷却面表面からの剥離過程を解析するために,Maxwellモデルが提案された. 2.氷の剥離過程を2つのタイプに分類できることを示し,その判断基準がち。t_<max>/τ<1:TypeA(弾性特性),t_<max>/τ>1:TypeB(粘弾性特性)であることを示した.但し,τ:緩和時間,t_<max>:最大せん断力到達時間. 3.TypeBの最大変位量は概ねTypeAのそれより大きい. 4.試験板への氷の付着力(氷結力)は試験板の表面エネルギーに強く依存する. 5.せん断応力はプラズマ照射や酸化膜除去により増加し,UV照射により減少する. 6.銅の場合,プラズマ・UV照射や酸化膜除去によってもほとんどせん断仕事は変化しない.一方,ガラス,塩ビの場合,プラズマ照射によりせん断仕事は著しく増加し,UV照射により減少する. 7.付着エネルギーは表面エネルギーに依存する. 8.せん断付着仕事に対する付着エネルギー(界面現象)の寄与度の定性的傾向を明らかにした.
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