2006 Fiscal Year Annual Research Report
弾性・流れとの連成を考慮した伝熱場の形状最適化の検証
Project/Area Number |
18560216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
片峯 英次 岐阜工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00224452)
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Keywords | 最適設計 / 形状最適化 / 連成問題 / 有限要素法 / 随伴変数法 |
Research Abstract |
弾性体、熱伝導場あるいは流れ場などの連続体形状を設計対象にした形状最適化問題は、機械構造物を設計する上で重要な問題である。これまでに申請者は、弾性場、熱伝導場、粘性流れ場などの形状決定問題に対して、数値解析法を提案しその手法の有効性を示してきた。これまでの研究対象は、いずれも弾性・伝熱・流れ場が連成しない基本的な問題に対する検討であった。しかしながら、実際の設計現場においては、連成を考慮した複雑な問題に対して形状設計を行う場合が多く、設計業務に直結した形状最適化法の確立が強く望まれている。 本研究の目的は、実用化に向けた連成場の形状設計システムを開発することである。本年度は、次の伝熱と弾性を連成させた熱弾性場、粘性流れ場と熱伝達場を連成させた強制熱対流場、非定常問題への拡張に対して検討した。 (1)定常熱弾性場の形状最適化 熱弾性場の部分境界における熱変形制約を満たしながら、体積を最小化する形状最適化問題の解法を提案した。はじめに問題を定式化し、随伴変数法を用いて形状修正の感度となる形状勾配関数を理論的に導出した。その形状勾配関数を評価するための解析アルゴリズムを提案してプログラム開発を行い、解析例から提示した解法の妥当性を確認した。 (2)定常強制熱対流場の形状最適化 強制熱対流場の部分境界において放熱量を最大化する形状最適化問題の解法を提案した。上述の(1)の問題と同様に、問題を定式化して、形状修正の感度となる形状勾配関数を理論的に導出した。さらに解析アルゴリズムを提案してプログラム開発を行い、解析例から提示した解法の妥当性を確認した。 (3)非定常問題への拡張 当該研究に関するこれまでの研究は定常場に限られてきた。本研究を非定常場問題への拡張を計画しているため、基本的な問題として非定常熱伝導場の部分境界において放熱量を最大化する形状最適化問題の解法について検討した。
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