2007 Fiscal Year Annual Research Report
状態によってモードが切り換わるシステムの実用的な振動解析法の構築に関する研究
Project/Area Number |
18560219
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
今村 仁 Ibaraki University, 工学部, 講師 (30213242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 克義 茨城大学, 工学部, 准教授 (40001698)
曽根 彰 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20197015)
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Keywords | 非線形振動 / 力学系理論 / PWSシステム |
Research Abstract |
(1)力学系理論に基づく動解析環境として,以下の特徴を有するオブジェクト指向型汎用プログラムコードをC#で開発した. (1-a)任意の解析モデルを,離散力学系,連続力学系,およびハイブリッド系のカテゴリーに合わせて,個別のモデルの特性の差異をカプセル化した形で新規クラスとして登録することにより,容易に解析対象を広げることが可能. (1-b)軌道計算プログラムなどの解析ツールを,系の個別性に影響されない「汎用的かつ透過的」なプログラムコードとして開発することにより,容易に機能拡張が可能. (2)モードによって状態が切り換わるシステムの工学的応用の一つとして,分岐理論やカオス理論の観点から注目を集めている受動歩行の基本モデルについて,本研究で構築を目指す解析法の適用可能性について継続的に調査・検討した.平成19年度は,能動的な制御入力なしに受動歩行が安定化する機構を,受動的歩行に内在する「隠れたフィードバック」効果と捉える大須賀らによる解析法と,本研究で構築を進める「擬フィードバック形式」による解析法とが如何なる関係にあるかについて検討した.2脚の歩幅が小さいとする近似線形化モデルの局所厳密解を導出し,1周期歩行軌道が満たす超越方程式を解析的に求めた. (3)非解析的なシステムにおける周期解求解や分岐特性の解明を統一的に扱える解析法を構築する上での有望な可能性の一つとして,非解析的システムの特異性に着目した計算法について検討した.平成19年度は,特に,代数幾何学における特異点解消定理と学習理論のζ関数との関連を調査し,非解析的システム特有の,モードの切り換えに伴うベクトル場の非解析性・不連続性を,より高い次元への埋め込みにより解消できる可能性があることがわかった.
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