2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
涌井 伸二 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (70334472)
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Keywords | 磁気軸受 / ターボ分子ポンプ / 制振 / ベンディングモード / フィードフォワード |
Research Abstract |
電子ビーム露光装置などに装着された真空機器としての磁気軸受を使ったターボ分子ポンプを,これを備えた構造物に対する制振機器としても活用する狙いを持つ研究である。H18年度の実施項目は以下のとおりである。 (1)5軸磁気軸受の制振向け安定化制御:市販の5軸磁気軸受式ターボ分子ポンプに対して,研究室でフィードバック制御系を構築した。最終目的である構造物の制振を行わせるためには,4軸制御の半径方向を運動モード別に制御する必要がある。運動モード別制御を安定に実装するために,実機の現象を観察しながら,モード抽出・分配演算の箇所を調整した。 (2)構造物制振のための予備検証:次に,制振対象を両端クランプの鋼板とさだめ,これに5軸磁気軸受式ターボ分子ポンプを装着するための設計と製作を行った。総重量70kgのターボ分子ポンプを鋼板に取り付けるために,同ポンプのフランジ部に加工したリングを装着し,これと制振対象の鋼板とをφ10mmの長尺ボルトを使って結合させた。ロータを強制加振させたときの駆動反力をこのボルトを介して鋼板に伝達させる仕組みである。この装着状態での磁気浮上の安定性をチェックした。制振対象およびターボ分子ポンプ全体を支持する構造体の剛性が低いため不要な振動の発生があり,安定な磁気浮上を実現することが困難であった。そのため,剛性確保のための補強対策および制御系の改良を繰り返して実施した。 (3)制振実験:制振対象の鋼板の固有モードは1次および2次のベンディングモードである。これらモードを1台の磁気軸受式ターボ分子ポンプのロータをフィードフォワード駆動することによって制振する実験を行った。不十分ながら,狙い通りに制振効果を認めることができた。 (4)真空系の準備:ターボ分子ポンプを回転状態に持ち込むためには粗引きが必要となる。そのための真空システムを考察し,必要機器の購入および実験系の再構成を行った。
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Research Products
(2 results)