2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560226
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷藤 克也 Niigata University, 自然科学系, 教授 (30197529)
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Keywords | 機械力学・制御 / 鉄道車両 / 走行安全性 / 脱線 / 転覆 / 曲線通過 / 模型実験 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
鉄道車両が高速で曲線を通過する際に生ずる車輪・レール間の相互作用力と車輪軸の挙動について,脱線と転覆の両者が複合するような条件下で1/5模型車両の転走試験装置を用いて実験した.次いで,脱線・転覆にいたるまでの挙動をマルチボディソフトSIMPACKによる数値シミュレーションで検討した.これら実験結果とシミュレーションにより,振り子車両が安全かつ効果的に曲線通過速度を向上するための基礎資料が得られた. 1.大きな横方向力を作用させた脱線実験(その2) (1)片輪走行が起きるだけの横方向力が車体に作用し続ければ,いずれ転覆に至る. (2)転覆直前の横方向力作用下での車輪横圧は,フランジ乗り上がり脱線が生ずる際のそれよりも小さい.すなわち,車体に作用する横力で生ずる横圧がフランジ乗り上がりに要する横圧に達する前に転覆が発生しうる. 2.振り子車両の高速曲線通過シミュレーション (1)振り子角が5°および7°の車両では,曲線乗り心地から制限される限界速度まで速度を向上しても,安全走行のための輪重減少率の目安(静的60%,動的80%)を超えない. (2)前項の速度で曲線を高速通過する際に,軌道不整の影響により内軌側輪重が瞬間的に大きく減少することがあるものの,車輪の浮き上がりは発生しない. 3.研究成果のとりまとめ 以上の検討内容から,脱線と転覆が複合するような条件下での走行挙動について明らかにしたことを整理し,安全に曲線を走行しうる速度限界を取りまとめた.
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