2006 Fiscal Year Annual Research Report
非線形有限要素法による粘弾性体の減衰マトリックスの定式化とプログラム開発
Project/Area Number |
18560234
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
清水 信行 いわき明星大学, 科学技術学部, 教授 (10196529)
|
Keywords | 減衰マトリックス / 粘弾性体 / 非線形挙動 / 数値積分法 |
Research Abstract |
高分子材料の粘弾性挙動を分数階微分則を用いて記述する方法を材料が大きな動的な変形を受ける非線形特性下で調査することが目的であり、その最も重要な特性の一つが減衰マトリックスの定式化である。粘弾性材料は高周波、高応力下で大きな減衰能を有する。粘弾性材料から成る製品や構造体の減衰特性を明らかにするには非線形有限要素法の定式化が重要で、本研究ではその定式化を行なった。粘弾性材料の構成方程式をFractional Voigtモデルで記述できる場合に、これまで粘弾性体の非線形問題の定式化に対して確立されている方法を拡張して、非線形有限要素法の新たな定式化を行い、非線形減衰マトリックスも併せて定式化した。次にこの解析に重要な数値積分法の開発を行ない論文として日本機械学会に投稿した(研究成果に示す3編の論文)。これらの論文はいずれも非線形分数階微分方程式の応答解を求めるための数値積分法の開発であるが、第3番目の論文に示すように、これまでにない、まったく新しい着想の基にベキ時間を導入した数値積分法を開発した。これは今後、多くの人達に利用されていく可能性を秘めたユニークな効率の良い解法である。 粘弾性の動的挙動を研究するFractional Dynamics(フラクショナル動力学)の情報交流のために「Fractional Differentiationとその応用に関する研究会」を2006年8月17日と18日の2日間、いわき明星大学で行なった。これには海外から1名、国内から10名の研究者が参加し、有意義な情報交流が図れた。
|
Research Products
(3 results)