2007 Fiscal Year Annual Research Report
耐震安全性・居住快適性を目指した多数の高層ビル郡の連結制振法の基盤研究
Project/Area Number |
18560237
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
背戸 一登 Nihon University, 理工学部, 研究所研究員 (40256798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 亨 日本大学, 理工学部, 准教授 (80265933)
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Keywords | 振動制御 / 超高層ビル / 耐震安全性 / 居住性 / 連結制振法 / 制振装置 / 振動モード / 振動センサ |
Research Abstract |
超高層ビルが地震に対して安全性が高いとされた根拠は、ビルを高層化するほど固有振動数が低くなるため、低い固本研究の目的は巨大長周期地震に対して安全性を高め、かつ揺れが少なく居住性のよい超高層ビル群の制御手法の確立することにある。 本年度は、超高層ビルを想定したフレキシブルな4棟のビル模型とMRダンパと呼ばれるセミアクティブ制振装置を製作し、本研究で提案したビル群に対する連結制振法の1次モード地震応答制御の有効性を実証した。その成果は米国で隔年に開催される米国機械学会国際会議に2編の論文として公表し高い評価を得た。 国内で開催された学会でも5件の発表を行った。その内の2件は本研究を支える制振デバイスのMRダンパに関するものである。本研究で開発したMRダンパは僅かな電力で大きく制御力を可変できるので、大地震に対する地震応答制御に適している。セミアクティブ制御にはビルの振動を絶対変位として検出できる絶対変位センサが必要なので、そのセンサの開発も行って1件発表した。連結制振法は同一振動特性を有するビル群の制御には不向きとされていた課題に対して、その対応策を考案して1件発表した。さらに関連研究として、ダンプトラック等の走行に起因する路面振動が3,4階の低層住宅の居住性を悪化させる問題に対する、新たな制振法を考案し1件発表した。 これらの研究の成果を含めた専門書が「構造物の先端的振動制御」の書名で英国の出版社Wileyから2008年に出版の予定である。以上のように、本研究で掲げた目的は達成されたと考えている。
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