2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560241
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
西郷 宗玄 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 先進製造プロセス研究部門, 研究グループ長 (80357053)
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Keywords | 機械力学・制御 / 振動制御 / 波動制御 |
Research Abstract |
(1)走行ロープシステムの波動制御アルゴリズムの開発:平成19年度に開発した進行波・後退波解が差分境界節点運動方程式を満足させる波動吸収制御則に基づく制御アルゴリズムの制御性能を走行ロープ実験装置で検証した。制御は理論伝達関数のカーブフィット多項式近似伝達関数に基づくフィルターと伝達関数の逆ラプラス変換による時間関数の畳み込み積分に基づくアルゴリズムで検証した。多項式近似伝達関数は定常特性(ゲイン及び位相)は十分な精度で制御伝達関数を表現しているが過渡特性に逆応答を含むため制御時間が長くなると発散することが分かった。時間関数の畳み込み積分による方法は必要データ数が多くなる(制御器に負荷がかかる)が制御可能であることを確認した。 (2)走行ロープシステムの波動伝搬特性解析:実用的なエレベータロープを念頭にして,運動方程式で剛性を考慮する差分はリモデルを対象とする制御則の検討を行なった。基本特性を把握するため非走行はりを対象として因果律の成立する厳密な時間領域の解を求めた。独立な4つの共役複素厳密解が得られ,その一次結合から得られる実数解で隣り合う節点間の変位を表現して境界節点を内部節点と等価とする補償制御則を構成した。ラプラス領域での位相特性から因果律の成立して位相遅れが全周波数領域で成立する条件を求めた。その結果,数値計算した範囲内では,複素共役解の算術平均解のみが全領域で因果律が成立することが分かった。この解を用いた制御は(因果律の成立しない)理想的な波動伝播解に近い応答を示す。
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Research Products
(2 results)