2007 Fiscal Year Annual Research Report
高剛性と高感度を兼ね備えたマイクロ力覚センシングデバイスの開発
Project/Area Number |
18560242
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 幸勇 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助手 (80261600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 勝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125504)
近野 敦 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90250688)
佐藤 大祐 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (40344692)
姜 欣 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30451537)
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Keywords | 力覚センサ / マイクロカンチレバー / 平行はり / 応力集中 / H形溝付きはり |
Research Abstract |
本研究の課題であるH形溝付きはり構造を用いた高剛性で高感度なマイクロ力覚センシングデバイスの製作にむけ,以下のような成果を得た. 1)H形溝付きはりをSiなどの高脆材に用いる場合,変形部の応力集中と疲労破壊が問題となる.そこで,これまでの解析結果に加え溝の内側と外側における応力を別々に解析したうえで最適溝形状の検討を行なった.その結果,楕円の長軸と短軸の比が2/5程度のものが有効であるという結果を得た. 2)溝付きはりをAFMなどのカンチレバーとして用いる場合,触針先端の変化が問題となる.また平行移動機構として用いる場合の寄生角も課題である.そこで変形帯域の大きなTi-Ni系超弾性合金を用いての予備実験を考えたが,材料の調達が困難なことから実現できずFEAによる解析にとどまった. 3)微小力の測定には不用意な外力への防止策が極めて重要となる.そこで我々が提案をしている過負荷防止機構の有用在について実験的に検証した.また,この作動点の決定には溝付きはりの回転中心が重要なことから,FEAによる解析を行い,定性的ではあるが各溝形状の回転中心を求めた.さらに,提案した過負荷防止機構は溝付きはりの溝の形によって複数軸力の過負荷にも応用できることを示した. 4)H形溝付きはりのカセンサへの応用としてヒューマノイドロボットの足底センサを開発し,その歩行における床反力の測定を行った. 5)H形溝付きはりの微小力測定への応用として脳外科手術用の剪刀に力測定部を構成したハプテックデバイスを作製し,切断感覚提示装置の開発を行った. 6)微小な6軸力覚センサの実現に向けてスチュワートプラットフォーム型の構成を考え,FEAによる解析を行った.しかし現在,各軸力の信号のクロストーク(混信)を防ぐまでは至っていない. 7)これらで得られた成果を,学術論文,国際会議および国内の学術会議において発表した.
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