2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560249
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
土谷 茂樹 Wakayama University, システム工学部, 教授 (30283956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 昌史 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (40283957)
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Keywords | 可変焦点レンズ / ソフトアクチュエータ / イオン導電性高分子 / イオン導電性高分子金属接合体 / 液体レンズ |
Research Abstract |
低電圧(数V以下)印加で人間の目の水晶体に近い動作が可能な小型(直径1〜2cm以下)で柔軟性を有する可変焦点レンズの開発を目的とする。提案する可変焦点レンズは、液体を満たしたレンズ状の透明な袋の形状をこれと一体的に形成した高分子アクチュエータにより変化させ、焦点距離を変えるものである(液体レンズと呼ぶ)。 レンズ材として柔軟で液体封入が不要なシリコーンゲルを検討したが、加圧時にゲル表面が非球面となり収差が大きいため、当初案通り液体レンズの試作を進めた。作製の容易さを考慮し、PDMS(シリコーン樹脂の一種)を鋳型に流し込み円柱状の袋(φ20×18mm)を作製し、内部に液体を封入した。円柱側壁は薄肉(厚さ0.1mm)、上面は中央を薄肉(φ6,厚さ0.1mm)、周辺を厚肉とし、側壁を高分子アクチュエータ(イオン導電性高分子金属接合体:IPMC)で加圧して上面の薄肉部を球面状に変形させレンズとする構成とした。IPMCの動作によりレンズ中央部で0.1mmの変位が確認できた。今後、さらなる小型化、焦点距離変化拡大を目指し、構造最適化を行う。 当初案では、レンズ状の袋をイオン導電性高分子膜で形成し、その周辺部に電極を一体的に設けてIPMCとし、IPMCの動作によりレンズを球面状に変形させる構成であった。そこで、イオン導電性高分子膜の一部に無電解めっきで電極を形成する方法を検討した。フォトリソグラフィー技術によってイオン導電性高分子膜を部分的にフォトレジストや感光性フィルムでカバーし、めっき液に浸漬して電極の形成を試みた。その結果、約10μmのパターン精度で金の電極が形成できた。開発したパターン電極形成技術は、蠕動運動など複雑な動作が可能なIPMCの作製にも応用可能である。
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Research Products
(8 results)