2007 Fiscal Year Annual Research Report
メカトロニクス機器の非線形特性を利用した省エネルギーの研究
Project/Area Number |
18560250
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
泉 照之 Shimane University, 総合理工学部, 教授 (10212953)
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Keywords | メカトロニクス / マニピュレータ / バランサ / 減速機 / 減速比 / 省エネルギー / 散逸エネルギー / 最適化 |
Research Abstract |
1 変速機のクーロン摩擦を考慮した最適速度関数 メカトロニクス機器のサーボ機構は,多くの場合減速機やボールねじなどの変速機を含んでいる.したがって,この変速機で散逸されるエネルギーは,モータでのジュール熱以外に変速機での摩擦熱がある.本年度は,ボールねじの効率が負荷を駆動する場合の正効率と,負荷によって駆動される負効率とで異なることに着目して,新しい運動方程式を構築した.正効率と負効率を考慮して,伝達トルクの正負に対して,最適制御理論を適用してそれぞれの散逸エネルギーを最小にする一般解を求めた.そして,電流の連続性など物理的な条件を満たすようにそれらの一般解を接続して,最適速度関数を決めた.この散逸エネルギーを最小にする最適速度関数がボールねじの正・負効率をパラメータとして表現できることがわかった.その後,粘性摩擦も考慮して,より正確な最適速度関数に発展させることに成功した. 2 散逸エネルギーを最小にする変速比 散逸エネルギーを最小にするボールねじの変速比について調べた.そのボールねじのクーロン摩擦力は変速比の関数になり,効率および最適速度関数も変速比に関係することを導いた.それによって,最適速度関数のもとで得られる最小エネルギーを変速比の関数で表すことに成功した.また,減速機自身の慣性モーメントも変速比によって変わるので,散逸エネルギーを最小にする最適変速比が存在することを発見した.最適変速比は,解析的に表現できなかったので,ある仮定を導入した.その結果,散逸エネルギーを最小にする最適変速比が8次及び4次の代数方程式の解から簡単に求められることを導いた.
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