2006 Fiscal Year Annual Research Report
生物規範型水中マイクロロボットの外部磁界による運動制御技術の確立
Project/Area Number |
18560251
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 崇 九州工業大学, 工学研究科, 助教授 (70295004)
|
Keywords | マイクロロボット / 生物模倣技術 / 磁気アクチュエータ / 永久磁石 / ワイヤレス駆動 / 磁気応用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、永久磁石を内蔵した水中マイクロロボットを、駆動磁界の波形を制御することによってワイヤレスで、3次元的に泳動させる技術の確立にある。本研究の大きな特徴は、水棲生物の泳動を真似た推進機構を磁気アクチュエータに組み込むことで、生物模倣技術と磁気応用の融合を試みた点にある。本年度は、水棲生物の泳動を参考にした磁気駆動型の推進機構を開発するとともに、旋回方法を行うための基礎的検討を行った。 1.水棲生物の泳法の観察と調査 推進機構の開発の参考にするために、タナゴとゲンゴロウの泳法を高速度カメラにより観察し、ひれによる扇ぎやパドリングの動作を定量化した。 2.推進機構の開発と基礎運動特性の評価 上記1の結果を基に、永久磁石の振動を扇ぎ運動やパドリング運動に変換する機構を開発し、直流磁界と交流磁界の印加による静特性及び動特性を評価した。磁気アクチュエータには、研究代表者が開発中の摩擦駆動型マイクロモータと磁気トルクによる回転振動型アクチュエータの2方式を検討したが、機構の構造が単純な後者を採用することにした。 3.水中マイクロロボットの組み立てと改良 開発した推進機構を組み込むためのマイクロロボット本体(胴体部)を作製した。磁気トルクによるピッチング(縦揺れ)が生じやすいため、推進機構を組み込んだときの重心と浮心の位置、慣性モーメントの適切な調整が安定した泳動のために重要であることがわかった。 4.マイクロロボットの外部磁界による旋回制御 試作したマイクロロボットに対して、方向制御の第一段階として旋回制御を行う手法について検討した。本年度は、駆動交流磁界に直流バイアス磁界を重畳することで、推進機構の動きを左右どちらかに偏らせる方法を検討した。一定時間で直流バイアス磁界の方向を切り替えることで水槽中を8の字で旋回させることも可能であり、提案した旋回方法が有効であることがわかった。
|
Research Products
(4 results)