2007 Fiscal Year Annual Research Report
2段サーボを利用したワイヤ懸垂系のテレオペレーション
Project/Area Number |
18560257
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大隅 久 Chuo University, 理工学部, 教授 (00203779)
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Keywords | クレーン / テレオペレーション / 振動制御 / 2段サーボ系 / 位置決め / ワイヤ懸垂系 / フィードフォワード制御 / オーバーシュート |
Research Abstract |
当該年度は、テレオペレーションの対象となるクレーンを水平面内x,y2次元水平面方向に拡張し、更にx,yそれぞれの方向に粗動系・微動系の2つの駆動系を導入した4自由度のクレーン機構を完成した。また、高速のCCDカメラを新たに2台導入し、ワイヤ振れ角センサを再構築した。このクレーンをジョイスティックによりテレオペレーションするシステムを構築した。まず、ジョイスティックからの指令を、振動が発生しないよう4次関数で補間してからフィードフォワード項としてx,yそれぞれの方向の粗動系に入力する。一方、微動系をレギュレータとして制御することで、懸垂物に発生する振子振動を抑制する。この際、レギュレータを単なる振動抑制として利用すると、懸垂物の加減速時に逆にレギュレータにより振動を発生させてしまう。そこで、この加減速時には、粗動系の目標として与えられた4次関数により発生するべきワイヤの振れ角が平衡点となるように、粗動系に与えられた速度指令に応じて、レギュレータの動作を修正することとした。この制御系を利用して、いくつかの基礎実験を行った。まず、xy2次元方向に発生する振動の抑制を実現し、ワイヤ振れ角センサの実用性と、レギュレータの有用性を確認した。次に、ジョイスティックを利用して懸垂物を搬送する実験を行った。レギュレータのみを利用し、粗動系をジョイスティックの指令をそのまま与えることで動作させた場合には懸垂物が必ず位置決め点でオーバーシュートを発生してしまうのに対して、本システムでは粗動系動作を位置決め点で静止するよう4次関数で補間することと、その減速時にレギュレータの平衡点をずらすことで、行き過ぎの発生しないテレオペレーションシステムを実現した。
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